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カテゴリ:英語教育一般( 30 )


2013年 08月 12日

【英語教育一般】実践と理論(その1)

先週末、授業力向上ワークショップと全国英語教育学会に参加してきた。まずは授業力向上ワークショップから。

 昨年度は部活の全国大会引率のため、授業力向上ワークショップに参加することはできなかった。恐らく2年ぶりの参加。3つのワークショップを聞く構成となっているので、正直お腹いっぱいになる。しかし、久々にリアルでお会いする人たちと一言二言言葉をかわすことで、気持ちがどんどんと上がっていく。多様な活動手法、それらを通して透けて見える講師の方々が授業に向かう姿勢。これからの自分の栄養となった。少なからず「ワークショップに参加することを生きがいとしている」人がいるが、これらに参加しただけでは自分の授業は変わらない。ベースとなるのは教える側の姿勢だと思っている。参加するだけで満足してしまう「ワークショップオタク」にならないように気をつけなければと思った。
 ワークショップで心に残ったのは「振り子」の話である。学校での英語教育に求められるものが目まぐるしく変わっている。訳読から触れ始めた振り子は、暗唱・暗写に振れ、今は授業内で英語でコミュニケーションを図ることが求められている。その振り子の揺れ様を客観的に眺める一瞬が必要だという話である。そのとおりだと思った。私が教育実習を行った時の担当教員は「不易流行」という言葉を私にくれた。英語教員に求められるのは「英語力を生徒につけさせる」ことである。ただ、その英語力の定義も非常に移ろいやすい。今は「実践的コミュニケーション能力」というところか?
 一方、手法も英語教育においては大きく変化している。新しい方法を見つけてはその普及に力を尽くし、普及した思えばまた新たな方法が生まれている。学習指導要領でもCAN-DOリストでもそうだが、目標は精選したほうが良い。ただし、そこに至るまでのプロセスは多様であるべきだし、プロセスを考え実践していくのが私たちの仕事だと考える。どの方法をとるかはその時々の状況だろう。
 「生徒に英語力をつける」という太い幹と、目標に対して柔軟なアプローチをとれる手数としなやかさが必要だとセミナーを通して実感した。
 夜に多くの先生と情報交換を出来たことが非常にありがたかった。
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by jacques_southhill | 2013-08-12 21:29 | 英語教育一般 | Trackback | Comments(0)
2013年 07月 03日

【英語教育一般】第1回レイター(評価者)養成研修会

先週金曜日、札幌で今年度第1回目のレイター養成研修会が行われた。昨年度もそうであったが、今年度も講師の先生方の人選が素晴らしく、数多くの刺激を得ることが出来た。以下は本校の英語科の先生方向けに作成した資料から転載したものである。講師の先生(亀谷みゆき先生)は文科省配布のDVDで授業を取り上げられた先生のお一人である。映像からはわからなかった英語教育に対する哲学を感じ取ることが出来、やる気を高めることが出来た。

・高卒後の10年間を考えると、今と昔では世界とのつながり方が違う。英語を一つのツールとして世界とつながることが必要である。そのためには、授業が世界とつながる必要がある。
・授業では初見で読ませ、スパイラル形式で理解をさせる。そのためのワークシートが非常にシンプルかつ構造的。無駄をそぎ落としワークシートに落とし込んでいるとのこと。また、復習中心であり、家庭学習の内容と次時の最初の内容がリンクするよう考えられているとのこと。全体の理解につながるように緻密に仕組まれている。
・「曖昧さに耐える」「リスクを恐れない」「信頼関係の構築」が授業の三本柱である。
・授業で使用する英語は5種類に分類できる。for control / as a model / for helping students understand texts / for scaffolding / for motivational feedback
・単元の学習内容のデザインを明確にする。年間目標→題材・言語材料→単元目標→評価規準・観点別学習状況。テストをあらかじめ作ることで解決可能
・最初に7時間程度を使ってconversational strategiesを導入している。会話の始め方、相槌の打ち方、会話の終え方などをワークシートで提示し、練習して身につけさせている。
・生徒に発話させるためには、トピックの蓄積が必要。トピックにはinformation gapが必要。
・error correctionは生徒とのインタラクションの中で自然に行われている。生徒の発話に対して、疑問形で返して気づきを促していた。
・アウトプットを段階的に指導するために必要なのは、初期のハードルをいかに下げるか。ディベートを例にとると、最初はpros/consの立場を選択することから始めている。
・評価の仕組みを変えないと、生徒はついてこない→パフォーマンステスト実施の必要性、比率を高める必要性
・少人数を導入する前に、教科を担当する先生がペアを組みTTで授業を行なっている。

百聞は一見にしかず、とはまさにこの事である。
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by jacques_southhill | 2013-07-03 01:02 | 英語教育一般 | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 26日

【英語教育一般】外国語活動と英語学習と現状把握

先週の火曜日、近隣の町で行われた小中の外国語教育に関する研究会に参加した。

・小学校の外国語活動
1つの項目を手を変え品を変え扱うことで定着させようとする狙いが明確に出た授業であった。特に印象的だったのは、言語活動に嬉々として取り組む小学5年生たちの様子だった。一人ひとりの生徒に目が届いていた(生徒25名ほどに対し指導者はALTも含めて3人)。復習としてWhat ... do you like? という表現をチャンツなどを用いて定着を促し、生徒の情報を使いWhat ... do you like?の質問に答えていく。そして、それが誰のことを表しているのかをWho am I?という質問を投げかけ、答えを言わせていくというグループワークで45分が過ぎていった。

・中学校の英語学習
中学校で見たのは、中1の授業。今はProgram4まで進んでいるが、話題が比較的高度(環境問題)だったことに驚いた。今までであれば中1ではまず出てこないであろう語彙もしっかり登場する。教科書の話題や言語材料に迫るため多くのタスクが用意されていたが、タスクを流している印象を受けた。タスク消化型の授業はテンポよく進められることが利点だが、予定されていたタスクを流すだけになってしまうという危険性もはらんでいる。また、文法知識や書くという視点が小学校の英語に追加されるのだが、その橋渡しが相当難しいことも生徒たちの様子から透けて見えた。今の流れを踏まえると、中学校では小学校で学習したことを文字で表記させることを主眼に置き、学習事項が一定量に達した所でまとめの意味を込めて文法事項を提示する流れが自然なのかも、と考えさせられた。

・高校の英語の現状把握
英語の自動化に持って行き、さまざまなアウトプット活動を充実させたいと思っているのだが、なかなかハードルは高い。同じ教科書会社の同じタイトルの教科書でも、難易度は飛躍的に上がっている。基礎的な単語のスペルアウトもおぼつかない。覚えるまで徹底的に取り組む(もちろん、学習方法は授業内や通信等を使って提示している)姿勢に乏しい。英語にかぎらず、学習に対するコミットメントが著しく低い。定期的にアウトプットを仕掛けたり、supplementary handoutを用意したりという授業内容にメスをいれる前に、生徒たちの学習に対する姿勢を根本から変える必要がある。やればできることに対し、取り組まないことを正当化するのは怠慢であると生徒たちには常に説いている。方法を理解した上で、できるようになるまで徹底してやるという姿勢が絶対に必要だ。お手軽な方法はないことを事あるごとに説いていかなければならない。そうした意味で1年生の指導は非常に重要である。
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by jacques_southhill | 2013-06-26 00:57 | 英語教育一般 | Trackback | Comments(0)
2013年 05月 27日

【英語教育一般】座談会に参加して

先週土曜日に、英語教育に関する座談会(主査と先進校教員と私の計3名)に参加させていただいた。ちなみに私以外の2名は、本校での研究指定のスーパーバイザーを務めている方々である。この記事は9月発行予定のB社リーフレット「学習到達目標から指導・評価を考える(仮称)」の記事となる予定である。

座談会のテーマは概ね次のとおりである。
1.「英語による授業」について
2.目標→指導→評価が一体化されている実例について
3.今後目指すべき英語指導の方向性について

テーマに関連することからテーマから発展した内容まで、2時間の座談会は休憩を挟むことなくあっという間に終了を迎えた。最も印象に残ったのは、担当の方から「今後どのようにしていきたいか」という問いに対し、先進校の先生が言った「続けること」という言葉である。その場で思わず「意外ですね」と口にしてしまった。更に深めていく趣旨の言葉が出てくるものと勝手に思い込んでいた私。でも、実はマンパワーに頼らず一度始めた取組を継続させていくことこそが最も難しいのだと心のどこかで思っていた私にとっては、深い一言であった。私以外のお二方からは、英語教育を通して人間教育を行おうという強い意志を感じ取った。自分の浅さを思い知った。

その他、箇条書き的に
・脇道にそれることの大切さ
・コミュニケーションをとるreadinessがある生徒を見つける観察眼の重要性
・コミュニケーションしようとする生徒に寄り添おうという姿勢
・「一枚岩」な組織はなかなかないということ
・CAN-DOリスト形式の到達目標は「作った」がゴールではなく、どのように運用するかが重要だということ

続きは件の冊子で。
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by jacques_southhill | 2013-05-27 23:56 | 英語教育一般 | Trackback | Comments(0)
2013年 04月 25日

【英語教育一般】スピーチコンテスト、開催される

一昨日、本校では初の試みとなるスピーチコンテストが行われた。

昨年度末(3月)にスピーキングテストを兼ねて、各クラスで予選を行った。アイコンタクト、明瞭な音声表現、内容を教員と生徒が評価し、クラス2名を代表生徒として選出した。1クラスにつき2時間予選に使ったわけだが、7つほどあるトピックの中から1つを選び、自分で原稿を仕上げ、読みの練習をし(もちろん生徒の申し出による添削は受け付けた)、本番に臨んだ。

選ばれた生徒は事前にALTと練習を行い、本番に臨んだ。自分も去年担当した生徒のスピーチは事前に聞いていたものの、その進化の様子に驚きを隠せなかった。fluencyがどの生徒も明らかに増していた。どの生徒も堂々としたスピーチを行なってくれた。iPadで動画を取りながら、スクリーン越しに発表生徒を見ていたのだが、何か嬉しさを感じずに入られなかった。

本戦は、司会(もちろん英語で)も審査員も全て生徒が行った。表彰式では、英語の先生ではない教頭先生に、英語で書かれた表彰状を読み上げていただいた。その様子は、静止画像ではあるが本校HPにアップされた。

まだまだ荒いところはあるのだろうが、初めての試みが無事に終了し一同ホッとしたのは言うまでもない。生徒を表舞台に出しながら運営できたことに大きな意味を感じる。

追記:本校が昨年度取り組んだ「英語力を強化する指導改善の取組」の報告を遅まきながら本校HPにアップしました。
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by jacques_southhill | 2013-04-25 14:45 | 英語教育一般 | Trackback | Comments(0)
2013年 04月 08日

【英語教育一般】今日の道新より

毎週月曜日の道新朝刊には、教育に関する記事が掲載される。今日は、英語教育についての記事が載っていた。

見出しは、「『英語だけの授業』準備OK? 公立高 本年度から導入」

小見出しは
指導法戸惑う教諭/実践校会話力が向上/大学入試の改革課題

「指導法戸惑う教諭」では、3月のワークショップ(おそらく英検主催)が写真入りで紹介されている。現場の教員の不安と戸惑いを紹介する記事と、文科省の方針、道教委の取り組みが紹介されている。

「実践校会話力が向上」では、本校と同じく平成24年度に指定を受けた滝川西高校(生徒の声も掲載されている)と弟子屈高校の取り組みの様子が紹介されている。

「大学入試の改革課題」では、「先行実践校では、大学入試の対策に苦労している」という文に始まり、その解決のために「放課後に筆記問題の補習を行う」「e-ラーニング」を行い、「生徒の負担が増すばかり」と続いている。韓国での取り組みを紹介し、最後は吉田研作氏の「大学入試センター試験などの抜本的な改革が必要」という言葉で結ばれている。

本校でも近々平成24年度の研究のまとめをHP上にアップする予定です。本校の現状は、模試やGTECの「表現力」「ライティング」が過年度の生徒よりも有意にできています。英語が出来れば受験英語もできるのですが、その逆は難しいでしょう。「使うこと」を前提にした学びが、骨太な英語力の形成に貢献するはずですし、私達現場の人間はそうなるように日々の授業を組み立てていくことが大切だと思っています。
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by jacques_southhill | 2013-04-08 23:37 | 英語教育一般 | Trackback | Comments(0)
2013年 02月 18日

【英語教育一般】第3回レイター養成講座

先々週の話になりますが、札幌で行われた会議に出席しました。

講師の先生は今年度より指導主事としてご活躍の先生。指導主事になられて間もないこともあり、現場での実践を踏まえた話には非常に説得力があった。文部科学省作成のDVDでもその授業の一端に触れることはできるのだが、自分はDVDに収録されている授業が成立するまでにどのような指導経過をたどっているのだろうか、ということに興味がある。そうしたことを考えながら講演を聴くのが非常に刺激的であった。また、生徒が聴く必然性を活動の中に入れ込むことの重要性も痛感した。「生徒は自分の発表の準備を行なっていて、他者の話は聞いていない」という説明を講師の先生がされていたが、生徒の発話を引き出す授業では避けては通れない課題である。

そう考えて自分の授業を振り返ってみると、まだまだ至らないところが多い。受容できる英語を広げつつ、発信できる英語も増やし、4技能をシステマティックに強化する仕組みを構築したい。

また、この日は青森県の先生方が参加されていた。自分も山形県に視察に行った時に偶然公開授業に参加する機会を得たのですが、北海道内だけではなく他府県の取り組みにも学ぶところは多々ある。情報交換できたことが嬉しかった。
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by jacques_southhill | 2013-02-18 21:23 | 英語教育一般 | Trackback | Comments(0)
2012年 10月 14日

【英語教育一般】第2回レイター養成講座(2)

講演は、明治大学教授の尾関直子氏が担当。

CEFRの理念に始まり、CAN-DOリストの利用用途等実践的な内容であった。氏の講演の中で心に止めておきたいと思ったのは次の4つ。

1 CEFRが定義する外国語学習の目的は、「複言語能力・複文化能力、及び学習者オートノミー(自律性)の重要性を強調し、学習者中心の指導方法を重視してきた。
2 CAN-DOリストの利用用途として、学習者が現在のレベルを知ったり、言語学習の目標を立てたり、教材を選んだり、能力を自己評価するときが挙げられる。
3 CAN-DOリストはtask-based instructionを推奨している。CEFRならびにCEFR-Jは一般的な記述となっているため、各校のレベルに応じて修正することができる。教科書のタスクは不十分であるため、自分でタスクを補う必要がある。
4 自律した学習者となるためには、家庭での学習量を増やす必要がある。宿題形式でも可。

学校でCAN-DOを考えていく時に、英語学習のシステムを円滑に回すための道具として考えなければならない。CAN-DOを作るのは実は準備であって、ゴールではない。作った後こそ、日々の授業の中にCAN-DOの要素を落とし込んだり、生徒に自己評価させたりと、次の段階に発展させるための道具である。また、パネルディスカッションにおいて、「シラバスとの相関性」「教科書各レッスンとの相関性」を強化することが肝要であるとの話も出てきた。本校がこれから考えて行かなければならないのはこの点であると次の課題を明確にすることができた。
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by jacques_southhill | 2012-10-14 10:55 | 英語教育一般 | Trackback | Comments(0)
2012年 10月 13日

【英語教育一般】第2回レイター養成講座(1)

無事に終わりました。僭越ながらパネリストを務めることとなったのですが、10分間で自校のCAN-DOリストに関わる取り組みを紹介し、フロアからの質疑応答に答え時間はあっという間に過ぎました。

10分では言い足りなかったことを補足する形で本稿を作成してみました。

本校のCAN-DOリスト作りについて、研究主任として頭に置いていたことは次の事柄です。
1.英語科教員全員で作る
2.descriptor(各項目の内容)に汎用性を持たせる
3.先生方の皮膚感覚を大切にする
4.4技能を支える、学習習慣・語彙・文法に関して言及する

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by jacques_southhill | 2012-10-13 13:30 | 英語教育一般 | Trackback | Comments(0)
2011年 05月 09日

【英語教育一般】「英語授業」激変!わが子が危ない

何とも衝撃的なタイトルだが、プレジデントFamily6月号の特集のタイトルである。昨日書店で見つけ、買って帰ってきたのだが、その内容が何とも衝撃的である。

・中学生の8割は文法を理解できない ~先生任せでは受験でつまずきます
・小学生の親の心配事にぜんぶ答えましょう
・中高一貫校に行くと大学受験は得をする?
・最初の一歩をどうするか うちの子を英語嫌いにしない法
・玉石混交の英語塾、教材を専門家がガイドします
・独学でバイリンガルになった子の勉強法
・大学入試の問題はどうなっているの? 親の時代との違いをワンポイント分析
・公立高校の入試はどうなっている?
・10年後は、英語ができなきゃ就職できませんか?

と、約90ページを割いた一大特集となっている。タイトルの付け方は確かに過度に不安感を煽るものもある。また、中高一貫の私立の学習内容を持ち上げるスタイルは公立校に子どもを通わせる親の不安を助長するかもしれない。また、私立一辺倒ではなく公立学校での取り組みも取り上げる必要があろう。しかしながら、今後の授業のあり方を考える上では非常に有益な情報が網羅されている。まとめるとこんな感じになるだろうか。

1.基礎的事項(語法・文法)をきっちり覚える
2.反復する
3.日本語での文章理解力を養う
4.家庭での学習を疎かにしない

自分の実践とも照らし合わせて、今後の授業改善に役立てたい。
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by jacques_southhill | 2011-05-09 21:00 | 英語教育一般 | Trackback | Comments(2)