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2013年 06月 26日

【授業日誌】ハンドアウトは道具です。

一緒に学年を組んでいる先生が、今まで作成したハンドアウトの他に「supplementary handout」と作成し意見を求められたので、次のように答えた。

「本当に必要ですか?」

と。理由は、何を狙って作ったハンドアウトかがはっきりしなかったからである。語彙の意味を提示し読解や聴解のハードルを下げるためのものなのか、表現を充実させるために作ったものなのか?

話を聞いていく中で、前者を狙って作ったハンドアウトであることがわかった。苦手な生徒が何とか読んだり聞いたりできるようにと願って作ったのだそうだ。

そうであれば、その目的にかなったハンドアウトを作るべきである。欲張りいろいろな情報を盛り込むと、苦手な生徒は何を参照してよいかわからなくなる(教科書の新出単語・熟語のハンドアウトは別途用意されている。また、supplementary handoutと熟語のハンドアウトの内容は重複している)。情報が各所に分散していると参照しにくくなり、目的が達成されないリスクが上がる。

ハンドアウトは指導者がカスタマイズ可能な「道具」である。道具は必要に迫られて作ることになるのだが、作成の思想が明確であるべきである。ハンドアウトを作る作業は、教員の授業力を上げることにつながる。与えられたハンドアウトを消化する方法ばかりを考えていては、授業力は上がらない。ハンドアウトづくりは職人の仕事に通じるところがある。作っていく中で多くの気づきが生まれ、新たに生まれるハンドアウトに落とし込まれていく。経験の浅い先生ほどハンドアウト作成型の教材研究を強く薦める。

素材の理解を促進させ、各教員の個性に合わせ手順等のカスタマイズが可能であるハンドアウトは優れたハンドアウトだとJacquesは思う。
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by jacques_southhill | 2013-06-26 01:19 | 日々の営み(授業) | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 26日

【英語教育一般】外国語活動と英語学習と現状把握

先週の火曜日、近隣の町で行われた小中の外国語教育に関する研究会に参加した。

・小学校の外国語活動
1つの項目を手を変え品を変え扱うことで定着させようとする狙いが明確に出た授業であった。特に印象的だったのは、言語活動に嬉々として取り組む小学5年生たちの様子だった。一人ひとりの生徒に目が届いていた(生徒25名ほどに対し指導者はALTも含めて3人)。復習としてWhat ... do you like? という表現をチャンツなどを用いて定着を促し、生徒の情報を使いWhat ... do you like?の質問に答えていく。そして、それが誰のことを表しているのかをWho am I?という質問を投げかけ、答えを言わせていくというグループワークで45分が過ぎていった。

・中学校の英語学習
中学校で見たのは、中1の授業。今はProgram4まで進んでいるが、話題が比較的高度(環境問題)だったことに驚いた。今までであれば中1ではまず出てこないであろう語彙もしっかり登場する。教科書の話題や言語材料に迫るため多くのタスクが用意されていたが、タスクを流している印象を受けた。タスク消化型の授業はテンポよく進められることが利点だが、予定されていたタスクを流すだけになってしまうという危険性もはらんでいる。また、文法知識や書くという視点が小学校の英語に追加されるのだが、その橋渡しが相当難しいことも生徒たちの様子から透けて見えた。今の流れを踏まえると、中学校では小学校で学習したことを文字で表記させることを主眼に置き、学習事項が一定量に達した所でまとめの意味を込めて文法事項を提示する流れが自然なのかも、と考えさせられた。

・高校の英語の現状把握
英語の自動化に持って行き、さまざまなアウトプット活動を充実させたいと思っているのだが、なかなかハードルは高い。同じ教科書会社の同じタイトルの教科書でも、難易度は飛躍的に上がっている。基礎的な単語のスペルアウトもおぼつかない。覚えるまで徹底的に取り組む(もちろん、学習方法は授業内や通信等を使って提示している)姿勢に乏しい。英語にかぎらず、学習に対するコミットメントが著しく低い。定期的にアウトプットを仕掛けたり、supplementary handoutを用意したりという授業内容にメスをいれる前に、生徒たちの学習に対する姿勢を根本から変える必要がある。やればできることに対し、取り組まないことを正当化するのは怠慢であると生徒たちには常に説いている。方法を理解した上で、できるようになるまで徹底してやるという姿勢が絶対に必要だ。お手軽な方法はないことを事あるごとに説いていかなければならない。そうした意味で1年生の指導は非常に重要である。
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by jacques_southhill | 2013-06-26 00:57 | 英語教育一般 | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 17日

【授業日誌】教科通信で学習指導 Mon, 17/06/13

今まで、担任で学年に入っている先生が教科通信を作り配布していたが、今回思うところがあり自分で教科通信を作成した。内容は、考査やスピーキングテストを踏まえた「学習方法」。

Learn, Practice, Useとタイトルを付け、「よく学べ、よく練習し、よく使え」と和訳をつけた。自分が作成した英語構文のテストで例文を書くテストを20点分出題したが、出来ない生徒ほど「やればできる」ところの取組が甘い。スピーキングテストでも、CDを使った音読テストの出来が今ひとつ(当然、授業でも扱っている)。そこで、通信の出番となった。今まではスピーキングテストや考査範囲等の事務連絡に終始していた。しかし、それだけでは通信の意味が無い。その時々に応じたメッセージを遊び心も交えて(時には授業から離れた英語の話も含めて)伝える道具として活用したい。両面印刷で作成したが、表面は「基本を大切にせよ。英語では基本=大事なことである。学習した事項を自分のスピーキング等に活用している生徒もいる。」ことを伝えた。裏面は、Courrier Japonや今井先生のセミナーの内容を元に、学習のヒントを載せた。授業で使わせることを意識すると、定着の活動は主に家庭学習で行われることになる。その意識を再確認したかったのだ。

考査明けの授業、いつも以上に緊張感を持って一生懸命取り組む生徒の姿があった。「前期中間考査のような学習ではまずい」と思ってくれたのなら嬉しい限り。実体験を通して、生徒には成長してほしい。それが本当の「学習能力」だと思う。
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by jacques_southhill | 2013-06-17 21:49 | 日々の営み(授業) | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 13日

【授業日誌】考査で授業の振り返り Thu, 13/06/13

考査の採点も半分くらい終わった。

採点中は悲喜こもごもだが、冷静になるとここまでの授業の振り返りをしている自分がいる。

苦手な生徒ほど例文の定着が思わしくない。一般動詞の疑問文とbe動詞の疑問文の区別ができていない生徒も多い。一方で関係副詞まで範囲に含めたのだが、しっかりと理解をしている様子も見受けられる。標準偏差が極めて大きい考査となった。

これを「能力の差だ」「苦手だから仕方がない」と一言で言ってしまえばすべてが終わってしまう。こうした生徒たちの力を引き上げるために知恵を絞りたい。

まずは、授業内で例文を定着させる活動を充実させる。中学校の学び直しもどこかで仕組まなければならない。学習に対する意識改革も迫らなければならないだろう。越えるべき山は大きそうだ。
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by jacques_southhill | 2013-06-13 21:00 | 日々の営み(授業) | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 12日

【授業日誌】コミ英Ⅰ 初めてのスピーキングテスト Tue, 11/06/13

今日は出張で不在の先生の分を含め、コミ英Ⅰの時間で3クラス分のスピーキングテストを行った。

出題内容は次の通り。生徒には事前に準備させることを狙い出題内容を提示した。

1.教科書で学習したLesson1つ分のうち、1パートの音読
2.自分に関する4つの情報を含めた自己紹介とJTEからの質問に対する返答
3.教科書のLessonのテーマに即したものとして、「自分にとって特別な日とその理由」とJTEへの質問

1時間で評価する人数は25名程度。思いの外時間がかかったが、今後の指導に向けた手がかりがつかめたり、生徒の意外な一面を知ることができたので、教科指導上も生徒理解上も有益だった。

【良かった点】
・事前の準備に概ね時間をかけることができていた。自己紹介のタスクでは、4つ以上の情報をちりばめ1分以上自分について話す生徒が半数程度いた。また、自分にとって特別な日について理由を含め説明するタスクでは、論理的にしっかりした構成で話す生徒が思いの外多かった。また、学習した文法事項(関係詞)を使おうとする姿勢や、関係副詞を正しく使いMy special day is my birthday. This is the day when I was born.と表現する生徒も予想以上に多かった。授業でやったことを自分自身の文脈で正しく使えている様子が見られたのは収穫。親元を離れ一人下宿している生徒がその思いをmy special dayのお題に据え、単文を積み重ねながら自分の言葉で英語で話している様子を見て感動した。

【今後に向けて】
・教科書の音読指導に比重を置く必要性を感じた。昨年の1年次生に比べ、音読にたどたどしさを感じさせる生徒が多かった。授業では子音の発音を重点的にやっているので、実際の本文でもそれを意識させること、授業はもちろん家庭での音読練習を充実させることを当面の指導の軸に据えていきたい。また、語尾をはっきり読んでしまいカタカナ発音になってしまう生徒も多かった。リエゾン等音声面に注意してCDを聞いて真似るサイクルを生徒に確立させたい。また、1パートを読むのに2〜3分かかる生徒が多数いた。遅めのCDに合わせて読んでも1分少々で終わることを考えると、明らかに時間がかかりすぎである。
・時間の制約がある中で、1コマでスピーキングを評価するための効率的手順を研究する必要がある。今回は音読・自己紹介・JTEからの質問への返答・特別な日の説明・JTEへの質問と5種類を盛り込んだテストとなった。精査するか分離するかを考える必要がある。

計画通りには進まなかったが非常に有益であったことだけは自信を持って言える。
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by jacques_southhill | 2013-06-12 00:36 | 日々の営み(授業) | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 10日

【雑記】英語教育点描

先週は、初任者が学校視察で本校に来られ授業を参観し、合評会に参加した。

正直自分が初任の時より「できる」人と直感した。Q and A形式で話を進めていったのだが、教壇にたって1ヶ月ちょっとの率直な質問に、自分の経験などを踏まえ答えていく。自分が勉強になった。励ましの言葉を伝え1時間の合評会は過ぎていった。その先生は私の授業を見に来られたのだが、授業の手法のみならず、一般論としての学習指導に関わる私の話もメモしていった。正直照れるが、自分らしい伝え方を考え生徒に絶えず学ぶ姿勢を伝えていってほしい。

また、中高連携の一環で本校は月に1回中学校に趣きTTを行なっているのだが、中学校側の担当者が来校し打ち合わせ。今年から、本校が連携している中学校は習熟度授業を取り入れたとのこと。中学校側の先生は若い先生だが、その意欲と問題意識に敬意を感じずにいられなかった。中学校側の思いとしては、生徒たちに刺激を与えたい、とのことだった。その思いに応えられるよう気を引き締めて関わって行きたい。ちなみに初回は今月末に行う。本校では教職志望の生徒を引率しTTを実施している。今年も募集する。本校の生徒にとっても、中学校の生徒達にとっても、私達指導側の人間にとっても、学ぶことは多い。
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by jacques_southhill | 2013-06-10 22:34 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 10日

【授業日誌】やるべきことはやれ、型を意識せよ

毎年1年次生を担当すると、必ずぶつかる壁があります。それは、学習に対する姿勢の指導。やってくるよう指示をしていることに対する取り組みが甘く、やればできることに時間をかけていない。姿勢の甘さについつい投げかける言葉も厳しくなる。学習に対する甘さを見過ごすと、その後の学習につながらない。やるべきことはきっちりやり切る、という気持ちと行動が必要なのです。お手軽な抜け道はないのです。今週は定期考査が行われるが、そうした意味での洗礼を受ける生徒がそれなりに出るだろう。

一方で「参考書をよく読んでないでしょ」というレベルの質問を越え、深く理解しようとする質問をする生徒もいる。考査1週間前の放課後は質問を受け付けるべく廊下を巡回。多くはないが、根本を理解しようとする鋭い質問もあり、こちらが勉強になる。

生徒の質問や学習の仕方から参考になったこと
◯関係代名詞whoseはどのように使うのですか。
日本語と英語の表面上の対比からはわからない根本に迫る質問。
I sing a song whose melody I like. 私はメロディが好きな歌をうたう
この2者の単純な対比からはわからない「中間の日本語」を生徒に示す。
「私は歌をうたう→そのメロディを→私は好きだ」
英語から考えチャンクごとに意味を理解する。その中で出てきたwhoseの意味。そのように参考書の例文を読み砕くことでwhoseの用法を理解してくれたようだ。

◯関係詞を扱っているのだが、もとになる短文を与え、それを組み替えることで関係詞節ができることを強調し授業を行った。
例えば、I live in the city.という文を提示し、「私が住んでいる市」という句を作らせる(可能な形は全て作らせる)。生徒は元になる短文をthe cityからなぞりはじめ、inまで戻って名詞+関係詞節を組み立てる。勉強になった。そういう提示の方法があったな、と。それで早速今日の授業で実演。これで、thatやwhichや「ゼロ関係詞」の時には必ずinが必要だが、the cityが場所を示す語句と捉えwhereを使うときにはinとは言ってはいけない、という説明ができる。Whereを使った疑問文で前置詞が出てこないことと合わせて生徒に提示。
ちなみに、これを使うと目的語から始まる場合は関係代名詞は目的格を使い、主語から始めるときには動詞の前で一呼吸置き、主格の関係代名詞を補い読み続ける、という指導もできる。生徒が出来そうな表現から拡張していくことを狙っている。省略の可否も一発で説明がつく。

一方で、形を与え和文英訳を主に授業を進めていくと、真似るべき型を真似ることが出来ずつまずく生徒が出てくる。「型をまねて英語で表現していく」ことで文法を定着させたいので、「まね」ができないと致命傷となる。型を学び、たくさん表現していく、という流れの中で学ぶことが大切である。周囲の生徒は言えている中で、その発表から学ぼうとしていない、教えを取り入れようとしない姿勢はやはり指導すべきと考える。

今回は英語構文のテストを作った。ハンドアウトで学習した内容満載である。「テストは簡単ですか?」と聞いた生徒には「きちんとやっている人には簡単だけど、やっていない人には難しいよ」と一般論を伝えておいた。例文をしっかりクイック・レスポンスできること。例文との類似性を見つけ応用することを求める出題とした。果たして、どうなることやら???
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by jacques_southhill | 2013-06-10 22:21 | 日々の営み(授業) | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 03日

【雑記】第8回文法の日in 帯広

c0206356_15122552.jpg6月2日、帯広で行われた今井先生のセミナーに参加しました。

車で当地から3時間半ほどのドライブ。少し早めに出発し、インデアンカレーで昼食を取り、温泉で一風呂浴びて参加。

前半は初級編、後半は中級編。どちらも集まった方々の年齢層は幅広かったです。参加者の意識の高さに驚きました。

【忘備録】
・知識としての英語からできる英語への転換が必要
・検定教科書を「日本語→英語」で言えるようになると、相当な力がつく
・短期記憶を長期記憶に引き上げることが必要。そのためには「忘れそうになったら触れる」
・学習の入口は「音」
・英語学習の三原則:(正しい発音で)言える、意味がわかる、書ける
・毎日英語に触れること
・文字は左脳(記憶容量が少ない)を使う。いかに右脳(映像的分野をつかさどる。記憶容量が多い)を使う学習に持っていくか
・毎日Read & Look up(出来なければ音読で代用も可)

以上は主に初級編での内容です。中級編はさらに踏み込んだ英語習得の方法論に加え、人間教育の領域にも言及し、講演の内容的にレベルが上った印象を受けた。

今回参加して、自分の実践を振り返り、新たな知見を得ることができた。今井先生とは1ヶ月ぶりにお会いした。「熱」のようなものを感じとることができた。例文集の暗唱を1年間続けていくとのこと。やはり、ほんとうに英語を使えるようになるためには、「覚える」段階を避けては通れないのだ。
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by jacques_southhill | 2013-06-03 14:42 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 02日

【授業日誌】既知を増やす、既知を使う

生徒が英語を話そうとするとき、どうしても日本語訳から入り、言いたいことがわからずスタックしてしまうことがある。

そこで、状況を与えメッセージを英語で伝えることを主眼に置いて次のようにしてみた。

あなたは吹奏楽局員で、Jacqeusにチケットを売りたいと思っています。どのように英語で言いますか?

ペアでブレインストーミングを行い、その後クラス全体に発表。

知っているもので何とかなることを体感してもらった。

言うまでもなく、「知っている・使える」ものを日頃の音読練習や暗唱で増やすことも忘れてはいけない。これからの定番活動になる!?
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by jacques_southhill | 2013-06-02 07:43 | 日々の営み(授業) | Trackback | Comments(0)